「ココ」だけの話。
キャバクラ勤続18年ベテランスタッフが語る
「ココ」だけの話。
キャバクラの世界に足を踏み入れ、早十余年。
ベテランスタッフがこれまで目の当たりにしたキャバ嬢やお客様にまつわる凄エピソードを「ココ」だけで紹介します!
伝説の酒豪バトル
キャバクラの常連さんには酒好きが多く、なかには拍手を送りたくなるくらい飲みっぷりの良いお客様も。ここで紹介する方は、そんななかでもトップクラスの大酒飲み。
日に焼けたガッチリ体型のお客様が、来店された時はすでにホロ酔い状態。女の子と話をしていると話題は酒豪自慢に。普通なら「スゴーい!」とお客様を盛り上げるところですが、接客をしていた女の子は店イチバンの酒豪。しかも負けず嫌い。そんな二人が顔を合わせば、「どっちが強いか」決めるのが自然の摂理。
というわけで、ウォッカによるバトルがスタート。試合は序盤から自分の力を見せつけるようなハイペース。すぐに勝負がつくなと思って見ていたら、予想通り両者とも目が虚ろに。しか〜し!ここからがスゴかった! 体はグラグラなのに、そこから飲む飲む。1時間・・・、2時間・・・、3時間を過ぎても勝負はつかず。さすがに危険なので強制終了。この後、引き分けとなった二人がお互いの健闘を讃えて飲み直したのは言うまでもありません。
店で鉢合わせ親子喧嘩!
「今日はお店を休んで、友だちの家でテスト勉強をがんばる」と伝えていた大学生の娘。「部下の面倒をみないといけないので今晩は遅くなる」と、まじめな顔で告げていた父。そんな二人がキャバクラで、キャバ嬢と客として顔を合わせたらどうなるか?
「お前、勉強しているんじゃないのか!」、「お父さんこそ仕事じゃないの?!」と、相手につめ寄る修羅場が展開されたのは言うまでもありません。キャバクラで働くのも、遊びに行くのもまったく悪いことではないのに・・・。やっぱりウソはいけません。
キレイ好き過ぎるキャバ嬢のクセ
とにかくテーブルを拭く・拭く。トイレに行ったお客様の手も拭く・拭く・拭く。
閉店後の掃除もいつ終わるかわからない徹底ぶり。キレイ好きなキャバ嬢は大歓迎ですが、キレイ好き過ぎるキャバ嬢には要注意です!
奥様と同伴する哀しきお客様
キャバクラ通いがつづいて、奥様から不倫を疑われるようになったお客様。仕方なく「行きつけのキャバクラで飲んでいるだけ」と本当のことを言ったものの信じてもらえず、夫婦揃って来店することに。
幸いスタッフから話を聞いて不倫疑惑は晴れ、一件落着。気を良くした奥様がそのままお店で飲んでいたところ、席についた女の子と意気投合し、ご主人以上に楽しんでおられました。
それから数日後、今度は奥様一人で来店され、前回に盛り上がった女の子を指名されたのだからビックリ。今ではすっかり奥様も常連さんとなり、ご来店いただいています。
飛行機でキャバ通い
SNSで何でもかんでもやりとりする時代に、東北から大阪まで飛行機でキャバクラ通いをするお客様がいらっしゃいます。きっかけは出張。せっかく大阪に来たんだからと、人生初のキャバクラ体験。その時に出会った女の子に運命を感じたのか、週末になると遊びに来てくださいます。
いつもひかえめにトークを楽しみ、必ず1セットで帰るのがお決まりのスタイル。同伴もアフターの誘いも一切なし。他のお店で遊ぶこともなく、翌朝の飛行機で帰宅。まさに健全を絵に描いたようなお客様です。
ちなみにこの方は鉄道マニアということですが、さすがに電車で通うのはつらいようです。
ひたすら沈黙…
いつ来ても喋らないお客様
お気に入りの女の子を指名して、何度も来店していただいているお客様。
しかし、いつも「こんばんは」と挨拶したきり、ほとんど喋らないんです。女の子が話題をふっても、「うん」とか「そうだね」と答えるだけ。最初は機嫌を損ねてしまったのかと、女の子もスタッフもヒヤヒヤしたのですが、表情は間違いなく楽しそう。なぜ、いつも無言なのかは今も謎のまま。でも、キャバクラの楽しみ方は十人十色。自由でいいんですッ!
時代は繰り返す
上司に連れられて来店された若いお客様。最初は緊張でモジモジしていたものの次第にテンションが上がり、何度も延長を要求して上司の方もお手上げ状態。
それから数年後、若手だったお客様が今度は後輩を連れて来店。かつての自分と同じように、最初はおとなしかった後輩も後半は大盛り上がり。何度も延長をおねだりされた先輩は、お手上げ状態になっていました。
カラオケ満点おじさん
数多くいる名物のお客様のなかでも、特にキャラが立っているカラオケ満点おじさんを紹介しましょう。強面なルックスと真逆の甘い歌声は、我々スタッフや女の子の間では知らない者がいないほど。独特の発声法と節まわしでオリジナルとはかけ離れているのに、100点を連発するだけでなく、聴く者の心をとらえて離さないんです。
この声で女の子を口説けば間違いなくモテるのに、話しだすとガラガラ声にもどってしまうんですよね・・・。今宵もまた、哀愁を帯びた満点おじさんの歌声が響き渡ります。
キャバ嬢たちの酔っぱらい列伝
お酒でやらかしてしまった女の子のエピソードは数知れず。最近では、お客様を父親と間違えて「トイレの後は消臭スプレーをして」と注意しはじめたり、何を勘違いしたのか店内に飾ってある花を食べだす光景を目撃しました。
また、京都のお店に在籍している女の子が、閉店後にタクシーに乗って「河原町」と行き先を告げたのですが、酔っていて”ろれつ“がまわっておらず、運転者さんに「着きました」と起こされたら、大阪南部の河内長野だったという惨劇も。さらにその女の子は行き先が間違っていることに気づかず、酔いが醒めるまで見知らぬ街を歩いて徘徊したそうです。
迷惑客に喝!
正義感あふれる男前女子
ある晩のこと。飲み過ぎたお客様が大声で叫んだり、他のお客様に絡んだりしはじめ、店内は落ち着かない空気に・・・。スタッフが「せっかく来店されたのだから楽しくお話をしましょう」とたしなめたのですが、なかなか聞いてもらえず困っていたところ、そのお客様のお相手をしていた女の子がスクッと立ち上がり、「いい加減にしろッ!」と一喝。
さらに水を打ったように静まりかえるなか説教をはじめ、マナー違反のお客様は「以後気をつけます」と謝罪。まわりから拍手・喝采が巻き起こりました。何でも、女の子は住職の娘とか。こうしたお客様は滅多にいませんが、お酒が入って気が大きくなり、度が過ぎてしまう方がおられるのも事実。スマートに遊んでこそ、イケてる大人ですよ。
眠すぎた男
コスプレイベントはキャバクラの人気企画。今回もセクシー系から萌え系までバラエティに富んだ衣装を用意。イベント告知をしたところ評判は上々で、特に毎回コスプレイベントに来てくださるお客様は、スタッフや女の子の気合いが入るくらい楽しみにしてくれていました。そして、その方は何日も終電近くまで仕事をしてスケジュール調整。
イベント当日はワクワク感で食事も喉を通らず、さらにこんな時に限って仕事のトラブルが起きるなど、お店に着いた時にはグッタリ。やっと席につき、お気に入りの女の子の顔を見た瞬間、張りつめていた緊張感と疲労がほぐれ、ウトウトしはじめたのです。女の子も起きてもらおうと話しかけるのですが、「うっう〜ん」と声を出すだけで目は開かない。結局お目当てのコスプレをほとんど見ることなく終了。それでもお客様は、「次回のイベントもまた来るわ」と満足げな様子でした。
女を磨き上げた田舎娘
「ナンバーワンキャバ嬢になる」という夢を実現するため、とある地方都市から大阪にやってきた女の子。しかし、ルックスは美形なのにセンスが残念過ぎて、すべてを台無しにしていました。スタッフがいろいろアドバイスしても、おっとりした性格のせいか、まったく響きません。
ところが、成績がダントツの最下位になったことでファイヤーオン。それからはエステやスポーツジムに通うだけでなく、ファッションやメイク、トークのセミナーに参加するなど、女磨きに励む日々が続きました。そして日を追うごとにみるみるとキレイになり、人気も上昇。ついにお店だけでなくエリアを代表する人気キャバ嬢に成長したのです。
顔と名前は忘れない
記憶力半端ないキャバ嬢
お客様の顔と名前を覚えることもキャバ嬢の仕事のひとつ。といっても多くのお客様のお相手をするため、ずっと記憶しておくのは至難の技。
しかし、ある女の子は1年前に一度だけ来店したお客様の名前やその時のトークまではっきりと覚えているのだから驚きです。何でも、箱のなかに情報をしまい込むシーンを思い描くのだとか。覚えてもらっていたお客様は大喜びで、みなさん頻繁に来店されるようになります。
夢を叶えた男の物語
小学生の時、キャバクラを舞台にしたドラマを見たことがきっかけで、スタッフになることを夢見るようになった少年がいました。お客様に楽しんでもらうため、一生懸命働く姿が猛烈にカッコ良く、心に刺さったのです。
大学生になった少年はアルバイトとしてキャバクラの世界に入り、やがて正社員に。それから15年以上の月日が流れ、今ではフリーペーパーの記事を任せてもらえるようになりました。・・・お察しの通り、夢を叶えた少年は、私です。